Tiranoティラーノ~知られざるワインとグルメ探訪の一日~ガイドブックには絶対載らない現地在住が案内する地元とっておきオーダーメイド旅

昨日に引き続き(前回の投稿ご参照下さい)、仲良し女子旅お二人ご案内の2日目は…イタリアと言えばもちろん欠かせない、地元ワインと郷土料理グルメを堪能いただく一日に。
 
午前中は我が家のワイルドなカンティーナ(ワイナリー)にて自家製ワインをご賞味いただきつつ この街や北イタリアのワイン造りの歴史をご紹介。
日本ではまだあまり知られていませんが、ティラーノのある地域はValtellina(ヴァルテッリーナ)ワインというイタリアでも有数のワイン産地。日本でも人気のイタリアワイン、バローロと同じネッビオーロ種を使っている事から日本のワイン通の方からは感激される事が多いです。日本ではあまり出回っていないからですね。
↑我が家のカンティーナ(地下ワイン貯蔵庫)上の食卓にて。この地方の古民家をなるべく当時のままにして使っています。壁にかかっているのは昔の農機具や保存食。
 
我が家の自家製ワインももちろんネッビオーロ。それに、前から畑に植わっていたメルロー種と、この地方の固定種Brugnola(ブルニョーラ)も少し混ぜています。…これは特にこだわり、というよりすでにあるブドウ苗をわざわざ抜くのも可哀そうなので大切にお世話させてもらいます…という感じ。
 
自家製ワインのお供には、地元のソフトチーズ、ライ麦パン、と生ハム類でワイワイと。特に調理もせず、あるものをそのままいただく素朴な昔ながらの農民のランチ。お二人とも「美味しい、美味しい」とワインもおつまみも進み、気持ちもお腹もほどよく満足いただいたようです。
 
我が家のカンティーナ裏手に回ると、この地域独特の、アルプスの急斜面に延々と広がるブドウ段々畑が広がっているので、愛犬ブーボの案内でぶどう畑も散策。
できあがったワインをただ飲んでいただくだけではなく、それができる現場も見ていただく事でより多角的に身近にアルプスワインを感じていただけたら嬉しいな、と思っています。
※いつも説明に夢中でカンティーナ内部での写真を撮り忘れる…
 
↑爆誕!ヒトとワンコのトーテムポール。…青空広がるブドウ畑はブーボがガイド役。彼のテリトリーですからね~。
 
 
午後は 地元の三大ワイナリーのひとつに見学・試飲へ。
1600年代からの修道院をそのままカンティーナにしているここはとても雰囲気があり 古から脈々と受け継がれて来たこの地でのワイン造りの歴史を色濃く感じる事ができました。一方で ぶどう苗の植え方や醸造方法など先駆的な試みもしていて 正に”温故知新”といった感じでとても興味深いカンティーナです。
 
↑ 目の前一面に広がるブドウ畑を眺めながらワイナリーガイドさんのお話を聞く。この日は我々とミラノからいらしたイタリア人ご夫婦のみでほのぼのツアーでした。奥様とは仲良くなってFacebookアカウント交換…
 
↑カンティーナ内部。クラシックな内装はそのままに試飲・ショップコーナーはモダンに改装されていて素敵な雰囲気。
 
↑当地のブドウ栽培の特徴、歴史、近年の試み…興味深い話を詳しく説明して下さいました。
 
 
その試みのひとつとして今回の試飲でも出て来たのが ネッビオーロの白。
ネッビオーロと言えば赤が主流なんですけど ここでは近年白にも挑戦。とてもまろやかで甘すぎず美味でした。
 
↑ネッビオーロ白。
 
他オリジナルとしては 前日に観光したスイス・サンモリッツ地方を描いて有名になった画家セガンティーニの絵がラベルになっているワイン、その名もセガンティーニ。これも試飲で出てきた。香りと深みのある美味しさ。
当地方の名物、干しぶどうワインSforzato(スフォルツァート)は〆で登場。ガツンとフルボディで我々もいい感じに仕上がりました。
 
↑ カンティーナ内部。何世紀もの歴史の痕跡を感じさせるところどころ剝げたりした壁がまたいい味を出している。ワイン「セガンティーニ」と共に、画家セガンティーニの絵が飾ってありました(もちろんレプリカではあるがカンティーナにより雰囲気を与えている)
※ちなみに、セガンティーニの孫かひ孫か知らんが要するに子孫の方がいらっしゃって、その方とライセンス契約しているそう。
 
↑お楽しみ試飲タイム。なんとこの日は5種類ものワインを飲ませていただけて、しかも毎回しっかり一杯分注いでくれる。おつまみも生ハムとチーズの盛り合わせが大皿でなく銘々皿でサーブされ… えっ、これで30ユーロってめちゃくちゃお得なんですけど…
 
↑…という事で5杯の結果。目の前にはブドウ畑とアルプスの山が広がりとても開放的なので、こんなところだと5杯飲んでも泥酔にはなりません。
 
 
こんなに充実したカンティーナ見学でしたが、最後にさらに嬉しいサプライズが。。。
試飲後、さぁ帰ろうと外に出ると なんと目の前に大きな虹!ちょうど試飲中に夕立が通ったようで、灰色の雨雲の間に顔を見せる澄んだ青空と大きな虹… 他のお客さんは帰り、タクシーを待つ間そこには私達しかいなかった為、まるでお客様だけに虹が出てきてくれたよう… お客様の一人はなんと感涙してまで喜んでいただけました。話を伺うと、出発前にいろいろとトラブルがありお一人だけ出発日を遅らせてようやく来れた今回の旅だったそう。「もう行くの諦めようかと思ったけど…(涙)、ほんとに来て良かった( ;∀;)」と言ってもらえて私ももらい泣きしそうでした。
↑空が広いので、天気の変わる部分もよく見える。
 
↑無言で虹をただただ眺めるお二人。
 
…という事で、イタリアアルプスのワインを通して地元の味、土地、歴史を体感していただいた一日でした。
 
ガイド編集後記:
…今回 ワイナリーにてイタリア語ガイドさんの内容を日本語通訳して感じた事だけれど… 自画自賛になりますが 自分自身もワイン造りに携わっており知識があるおかげで よりポイントを踏まえた説明ができるように思う。
近年 Googleでもアプリでもある程度気軽に翻訳はできるし ニンゲンでも私よりイタリア語堪能な方はいくらでもいる。しかしワイン造りに関わる単語ってもはや専門用語だし 醸造法やこの地方の地理・歴史も知ってないといくら正解に通訳できたところでイミフだな…と感じた。
なのでネットでいくらでも情報が仕入れられる現代、ガイドなんて不要、と思う方も多い事でしょう。私自身も、ガイドというものの存在意義は薄れゆく運命なのでは…?などと思う事もありましたが、そんな事は全然ないな、むしろネットには出ない情報、デジタル世界では絶対にできない体験という大きな付加価値に貢献できるな、と思った次第です。
私のみならずイタリアの各地で地元密着のアテンドやガイドをしている方がいらっしゃいます。プライベートで依頼する場合決してお安くはないですが きっと「お、値段以上」(某家具屋パクり)の深掘り体験ができると思いますので これからご旅行される先の案内人さんを探してみてはいかがでしょうか。
イタリア中部、スイスグリンデルワルドあたりなら知り合いにいいガイドさんがいるのでご紹介できます。ご興味ある方はお問い合わせ下さい。

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