半日でもこんなにいろいろ見れる!できる!Tiranoティラーノ観光
Tiranoティラーノで半日しかないんだけど、何を見たらいい?何ができる…?
Tiranoティラーノは小さな町なだけに見どころがギュッと詰まっているので移動で時間をロスすることなく効率的に回ることができます。
その一例として、この夏ご案内したお客様との動きをご紹介したいと思います。
お客様は、定年記念の気ままな一人旅の方。
世界遺産レーティッシュ鉄道ベルニナ線を乗り継いで
・サンモリッツ~Tiranoティラーノ(ベルニナ線電車)
・Tiranoティラーノ~ルガーノ(ベルニナ線バス)
と移動される為、Tiranoティラーノで一泊。
翌日はベルニナ線バスが14時過ぎという事で、1日目午後~夕方の半日、翌日はベルニナ線バスに乗るまでの半日ガイドをご依頼くださいました。
******1日目******
ガイド前日の午後、ベルニナ線電車でご到着したのですがその際、さっそくプチハプニングが…
私は、ご依頼下さったお客様にはなるべくチェックインのお手伝いもするようにしております。
この日も、チェックインされるB&Bに向かうと…
一足先に宿にご到着されたお客様Yさんが、建物の周りを右往左往されています。
声をかけると、「鍵が開いてなくてピンポンしても誰もいない」との事。
中庭では、人懐こいボーダーコリーがお出迎えしてくれているものの、確かに人の気配なし。
「ドアに紙が貼ってあって矢印があるので裏に回れって事かなと思って回ったんですけどどこも開いてないんですよね」と。
どれどれ、、、私がそれを読んでみると
”不在時はこちらに電話”
と携帯電話番号が書いてあり、矢印はその番号を示すためのものでした。
…てか、観光地のB&Bなんだからせめて英語で書けや。イタリア語で書いたらわからんの当たり前やんけ。
で、私の携帯で電話をすると
「あぁ、今近くの親戚の家にいるから今行くわ10分待ってて」
…おいおい、お客様が来るんだからちゃんと待機しとけ。そして何よりまず謝れ。
その後、当然のごとく10分以上待たされ、ようやく到着しても謝罪なし。
ついでに宿代支払いの際「Visaだとコミッションが低いから助かるわ」などとカード種類を指定してくる。
サービスでやってるチェックインお手伝いですが、やっぱり来てよかった… イタリアだと本当にこういうことが(よく)起こるので気が抜けません。
その後のお客様への対応に影響が出てはいかん、と思ってその場は抑えましたが、自分だけだったら絶対一言物申し上げるところでした。
…て事で、対応はちょっとウダウダすぎましたが、宿自体は新しく綺麗でした。
↑ シングルでも大きなベッド。バスルームもめっちゃ広い!
…と、前置きは長くなりましたが、無事にチェックインしてからこの日の午後~夕方は
「Tiranoティラーノ中世からの街並みと暮らしを知る半日コース」と題し、旧市街と我が家の自家製ワイン貯蔵カンティーナ見学&試飲会。
↑ 旧市街の中心にあるサン・マルティーノ教会内。夕方の西日がステンドグラスのキラキラを投影してとても幻想的な雰囲気になっておりました。
その前後、旧市街の3つの城門、街角に残るフレスコ画など歴史・文化の解説と共にご案内しましたが、いつもの癖で解説に夢中になって写真撮るの忘れました。気になる方は当HP内、旧市街の紹介ページよりどうぞ。
↑ 我が家のカンティーナ入口にて。我が家のカンティーナは実は、正式なTiranoティラーノ旧市街よりも前にできたと言われる旧・旧市街にあります。なので自然石をうまく組み合わせて作ったこの地下貯蔵庫は軽く築500年はくだらない。
↑ ずらりと並ぶワイン樽と共に。
↑ カンティーナの階上、キッチンにて。イタリアの新鮮生ハムたちと共に、うちの自家製ワインをご賞味いただきました。この建物自体が往年のままの古民家になっているので、当時の家の構造や暮らし方が体感できます。…この他にもうちのパートナーと撮った写真があるのですが、割と暑い日だったので上半身裸にて、コンプライアンスの面から載せない事にします。
とても美味しい!と感動してもらえると造っている側も嬉しいです。
生ハム盛り合わせにワイン、地元チーズと素朴なアペリティーボに会話もはずみつつあっという間に夜に。初日はほろ酔いでお開きとなりました。
******2日目******
2日目の今日は
【ローマ時代から続くブドウ段々畑ハイキング&地元グルメ堪能】半日コースです。
日本でも最近知名度が徐々に上がっている当地方のワイン、Valtellina(ヴァルテッリーナ)ワインが生まれるふるさと、アルプスの急峻な斜面に整然と並ぶブドウ畑の中を散策します。
我が家のブドウ畑もこのエリアにあるのでよく行くことと愛犬のいい散歩コースでもあるので、畑の中の道、景色がいいポイント等々把握しております。この日はベルニナ線バス時間までにランチも済ませたいので軽めかつ絶景が楽しめるポイントにご案内。
9月という事で、翌月に収穫を控えたブドウがどの畑でもたわわに実っており、昨日飲んだワインはこうしてできるのか…という事がより想像していただけたのではないかな、と思います。
↑ 手積み石垣に守られて整然と並ぶブドウ段々畑を背景に、アシスタント犬ブーボと共に。1,000年以上前からあるこの形。
実際に歩いてみると、思いのほか急峻なんです。
道をわかっているブーボが先導し待っていてくれます。
↑ 畑の中腹でばんざ~い。
↑ 見晴らしのいいところで小休止。ブドウ畑に来たからにはやはり…という事でもちろんうちのワインを持ってきました。午前中から外で飲むって最高♪
↑ ブーボもすっかり懐きました。犬好きの方だというのがすぐわかるんですね。
〆は、また旧市街に戻りまして老舗トラットリアのテラス席にて地元グルメランチ。そば粉パスタPizzocch(ピッツォケリ)と、同じくそば粉を使ったおつまみ揚げ物Sciatt(シャット)でございます。…あっ、テーブルにはまたワインが…
↑ ランチ後は、ベルニナ線バス乗り場までお見送り。ガイドご用命特典のベルニナ線ショッピングバッグ(非売品)と共にパチリ。9月とは言えまだ予約が多いらしく、この日はバス2台体制でした。
…検札が始まった途端、誰も並ばずに車掌に殺到するところがこれまたイタリアらしい。もちろん予想していたので手早く車掌をつかまえて混沌の前にご乗車いただく。
その混沌を脇で見ていたら、イタリア南部訛りのツーリストさんが予約なしで何とか乗せてくれ、とごねており、当然ながら冷たく「無理」って言われていました。。。情に訴えかけようとするイタリア南部のおばちゃんと、ルールはルール、で厳格なスイス仕込みの運転手さん。同じイタリア語話者ながら文化の違いが歴然で、ふたつの文化が交差する国境沿いの街の特徴を如実に表しているなぁ、と傍観していてとても面白かったです。
…という事で、半日×2で、この街Tiranoティラーノの魅力をギュギュっと凝縮してご案内いたしました。
歴史・文化・ワインにご興味があるというYさん。まるでこの街の特徴にバッチリはまり、実際に
”イタリアの他の有名観光地は、歴史的建造物や遺跡が見るだけのものになっているが、Tiranoティラーノは生活の中に歴史が溶け込んでいる。生きた歴史という感じがすごい”
と言っていただけて嬉しかったと同時に、私も勉強になりました。
自分はもう長年ここに住んでいるので感覚が普通になってしまったことがたくさんあると思うのですが、こうして初めての方の目線を知れるととても勉強になります。それが、大好きなご案内の楽しい一面でもありますね。
…他、我が家のもうひとつの生活密着型カンティーナをご覧いただいたり、道すがら友人に出会ったりと、一般的なツアーには決してない、地元文化に溶け込める観光をお楽しみいただけたのではないかなぁ、と自負しております。
そんなわけで、半日程度でも効率よく動けばしっかりこの街を堪能できますので、参考になれば幸いです。
地元密着型プライベートガイドのお問い合わせはお気軽にお寄せ下さいませ。
特に繁忙期の夏はお早めに。体一つなので1日1件しか受けられません。
******おまけの画像集******
↑ 旧市街の中にある個人所有の教会内部にて。
↑ ブドウ段々畑ハイキングはじめ。歓迎するかのように雲間から陽光が。
↑ 幼稚園の前にお迎えで停まっていたクラシックカー。約50年前のモデルと仰っていました。いまだ現役!※もちろん許可取って撮影。