失くしちゃいけないこの文化~どんと祭に行ってきた~

ども、変わらず一時帰国中のヒロコです。
日本の正月を満喫する一環として おとといはどんと祭に行ってきました。
どんと祭、という呼び方は地方により違うのかも知れないけれど、正月飾りやお人形、針などを持ち寄って神社でお清め&供養してもらう、正月期間〆を飾るお祭りです。

極寒期の1月。17時でももうすっかり暗い空に、大きく赤々と立ち上る炎。それを囲み眺める面々はなんとなく神妙な面持ちで、自分も清められたような気持ちになり…つつも頭の中では“屋台で何買おうかな”という煩悩にやっぱり支配されているアレでございます。



暗く長い参道の両脇に並ぶ、派手な原色の屋台の灯り。そこに、お参りに黙々と並ぶ人たちの列と屋台に行きたい列が交差する。寒さか炎に照らされたからか、はたまた甘酒のせいかわからないけれど頬がほんのり上気した人たちの顔。時折立ち止まったり押し合い圧し合いだけれど、朝のラッシュと違って笑顔のあふれる人混み…
流行り病騒動を経て久々に戻った、昔ながらの、そして日本ならではの風景。とても懐かしくまた愛おしく、楽しませていただきました。



同時に、一度失いかけたせいかもしれない。こういった日常に溶け込んだ日本の伝統・文化は大切にしていかねば、と改めて思いました。
グローバル化・多様化している昨今。今後もその傾向は加速するでしょう。でもだからこそ、それぞれの根っこを見つめ直す時なのではないかな。いやきっと、見つめ直さざるを得なくなるだろう。それぞれの個性がハッキリしてこその、グローバルそして多様性だから。一本の木が成長するとそれだけ影が長く濃くなるように。

そういう意味では、日本は実はかなり強烈な個性とアイデンティティを持っているのであまり心配してはいないが、今回の能登大地震で気になることもあった。
地震で孤立集落が多発。道路も寸断されて救助が難航している、というニュースをYoutubeで観ていた時、

「こんな不便な田舎に住み続けたいなら今後はもう自己責任で」
「この機会に、全員都市部に移住してもらえばいい」

といったコメントを少なからず目にして驚いた。
個人的意見としては、田舎こそ大切にしなければならないと思う。画一化されていない田舎にこそ、日本古来の生活、文化、伝統がある。不便な田舎に住んでくれる人がいるお陰でそういったものが守られる。
実際に、私も大好きで三回は訪れた事がある能登半島は、海外でも人気の高い輪島塗りに始まり、千枚田、間垣の漁村集落、フグやノドグロといった日本海独特の海の幸…と、宝の山がつまった半島なのだ。
今まさに寸断されたり隆起してボコボコになっている山間や海岸すれすれの一車線道路を走っていると、あちこちにその背後をこんもりとした竹林で守られた里山集落があり、その前には青空を映す小さな田んぼが広がり… ザ・日本の原風景 が広がるのがこのエリアなのです。
最近流行りの薄そうな箱型住宅ではなく、黒光りする重厚な瓦屋根で守られた昔ながらの家々もたくさん倒壊してしまい、毎日ニュースを見るにつけとても胸が締め付けられます。

応援やちょっとした募金しかできないけれど、どうか一日も早く日常が取り戻せますように。今のところはまず、最低限のインフラが整備されますように。そして将来的には、また美しい能登の風景が戻る事を祈るばかりです。

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