固定種トウモロコシを蒔くアルプス春のルーティーン

Seminiamo il seme del mais autoctono 🌽

ようやくアルプスも暖かくなり、日々様々な食物の種まき、苗植えにいそしんでおります。

その中でも一番広い面積で毎年蒔いているのが、こちらトウモロコシ。

北イタリアではトウモロコシ粉を原料とするお粥みたいな主食「ポレンタ」の為に、トウモロコシの栽培が昔から盛んです。

…現代において、トウモロコシは最も遺伝子組み換えが進んでいる作物のひとつですが、うちでは毎年、この地方の固定種を栽培しています。

固定種、つまりこの地方に適応して来た種だから病気にもならず無農薬で良く育つし 何よりこれでこしらえたポレンタはとってもホクホクして美味しい!
こんなにいい事づくめなのに固定種が廃れつつある理由が全くわからない…現代的コスパ・種子にからむ利権を追求した結果なのでしょう。

一時的な「美味しさ」、効率を追求した結果、最近のF1品種から生まれる新種野菜・果実の甘い事あまいこと… ほとんどどの果物を食べても甘さが勝ってしまって同じ味。かろうじてひっそりとその果物の風味が残る…という状態になっているように感じるのは私だけだろうか。

こちらに来た方に現地の固定種・無農薬野菜や果物を試食していただくと、とっても懐かしい!とか、これが本来の味だよね、と喜んでいただける事多々。

うちの固定種トウモロコシ粉も、できた途端あっという間にいろんな方から頼まれてなくなります。

そういった現実が物語るように、ある程度の品種改良はいいとしても、何事も行き過ぎると本来の形が失われてしまう。そして本能的に人はそれを感じられるものなのだろう、と私は思っています。思考としては意識していないとしても、味覚という本能と直結した感覚でもってきっと捉えている。

固定種を守り受け継いで行く事は、その土地の文化、風土、ひいてはアイデンティティを守っていく事にも繋がるのではないでしょうか。

爽快なアルプス山脈を背景に種蒔きしている様子は、こちらの動画でもご覧いただけます🌽

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