おばハイジ、エセアルピニストになる~ヘルンリ小屋で山の神に出会った~

ちょっと今日は今後お客様を案内する時の為にコース下見で マッターホルンに登るアルピニストのベースキャンプ、ヘルンリ小屋まで行ってみました。

↑ ヘルンリ小屋と背後にマッターホルン。標高は3260m。なんか馴染みある数字だと思ったら、私のいつもの担当エリア、エンガディンにあるお気に入りの山Piz Languardと同じ標高だった。

真っ直ぐ行くのもつまらないので一つ上のロープウェイ降り場から湖巡りしつつ。

※トロッケナーシュテーク→シュヴァルツゼーに向かい湖を経由しつつ降りていく→途中の分岐でヘルンリ小屋に向け登る…のコース。

 

まぁ最高のお天気で一日中マッターホルンはひと時も雲に隠れる事なく… 風もないのでどの湖からも逆さマッターホルンがくっきり過ぎて満喫しまくりでした。

↑ 氷河に覆われたアルプスの名峰を同じ目線の高さで眺めながら歩ける絶景コース。左からクラインマッターホルン、ブライトホルン、少し離れてモンテローザも見える。

↑ 間近から見上げるマッターホルンはやはり圧巻。多くの人を虜にする理由がわかる。

山小屋ではやはりたくさんのガチアルピニスト…ザイルを肩にかけ、リュックにはヘルメットやアイゼン装着可能な登山靴を引っかけて、なのに私よりずっと登るのが早い人たち…が山小屋チェックインやテラスでビール飲みながら明日の打ち合わせをしたりしており、なんかとてもかっこよかったです。

↑ マッターホルンを正面に見ながら山道を行く。ガチアルピニストにがんがん抜かされる。彼らの体力どうなってんねん…

↑ ヘルンリ小屋内部。広々として清潔なホール、トイレはもちろん水洗。日本で山やるお客様がスイスに来てよく驚かれるのですが、スイスの山小屋は山小屋というよりホテル。そしてもちろん、マッターホルンにアタックする方限定というわけではないので泊まる事を目的に来ても良い。ただし標高が高いので高地慣れしていない人は高山病のリスクがあるので気をつけましょう。多少慣れている人でもこの標高だとおそらく熟睡できません。以前、ほぼ同じ標高の山小屋に私が泊まった時もほとんど眠れなかった。睡眠時は呼吸が浅くなるので取り込む酸素量が減少する→ただでさえ標高が高い場所でそれ以上の酸素不足を防ぐために熟睡しないようになる、いわば本能による防御反応だそうです。身体ってすごいね!

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本当にその足元で見上げるマッターホルンは、絶壁が自分に向かって迫りくるような迫力と、遠くで見るよりよっぽど険しい崖の連続で、とても人を寄せ付けるような感じではない。よくもまぁこんなところ登ろうと思うよな、、、とヘタレの私は思うのであった。

そして周りにも高い山がある中、他の山から距離を置いてひときわ高く、そして独特の形でそびえるこの山は、とても神々しく近寄りがたい威厳を放っておりました。

ありがたや~、こんな覚悟のない私みたいなのにはそんな資格はない事は重々承知の上で、やっぱり近くまで行ったのでほんの一段だけ、ガチのアルピニストが登り始める”取り付きの壁” に足をかけさせてもらいました。もうこれで登頂したくらい満足。安いもんだ私。

↑ 取り付きの壁。私の上に試しで登っているハイカーカップルがいて、その右上に黒い像が見えますが、これは聖母マリア。登山の無事を祈りおかれているのでしょう。この壁だけでたいそうに見えますが、登頂までを考えたらその10分の一もない。最初の一段目の足場でこの高さですよ… 欧米仕様だから一歩一歩が大きすぎる。その時点でもう無理や。

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その後…壁の近くにちょうどいい平坦な岩があったので腰かけ、しばし聖山マッターホルンの御姿に見惚れていたら、不思議な事が起こりました。今朝登頂したアルピニストも皆小屋に戻って来ていてほとんど誰もいない壁のあたりから、ふとカタッと小さな落石みたいな音がしたので何事ッ、と思ってマッターホルンの方をみると山陰から突然、タカか鷲かわからないけど猛禽類が優雅に登場。私の目の前をすぅぅ~、と横切っていき、谷の下に消えていきました。。。

アルプスでも昨今は猛禽類なんてなかなか見られないのに 今ここでこのタイミングでですか…
あれはマッターホルンの神さまだったのだろう。

動画貼っとくので神さまと現地の雰囲気が伝われば幸いです。

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