ネイティブ日本人が気づかない意外な発音の癖

おとといも楽しいイタリア人生徒さんへの日本語レッスンでしたが 今回の生徒さんからも とある質問をされました。
 
この質問は実は イタリア人(=外国人)に教えてると必ず聞かれる質問のひとつで かつネイティブ日本人は言われないと普通気づかないもの。
 
それは何かというと
 
「です」
 
の ”す” は有音なのか無音なのか 問題!
 
…たぶん大部分の方はそもそもこの質問の意味にピンとこなくて
えっ?
って思ってるのではないでしょうか。
 
ローマ字で書くと
 
desu
 
ですが
 
実際我々が何気なく発音する時には
 
des
 
と最後の母音を発音せず 息だけの音になっているはずです。
 
さぁ 早速ご自分で発音して確認してみて下さい。です 以外の す もいろいろ入れてみました。
 
《例文》
 
・水曜日の吹田市は晴れです。
 
・スモモの酢漬けは酸っぱいですね。
 
・いつもすっぴんの菅沼さんはお相撲さんが好きでなぜか「すっとこどっこい」が口癖です。
 
・数日前 空き巣に入られた春日さんは慌ててスリッパのまま飛び出し飼っているメスのハムスターを危うく踏みつけるところでした。
 
 
…ほらね?
いろんな す 結構無音ではなかったですか?
(ついでに し も無音になった人もいるはずです。)
 
これが 日本語学習初心者には
 
教科書にはこう載ってるけど実際聞くと違うぞ…?
 
という疑問点になるわけです。
 
私達にとっては この す をちゃんと発音するかどうかは単なる癖や急いでしゃべるとそうなるよね…程度のたわいのない事ですが 実はそれは日本語という世界的に見たらなかなか特殊な文字表記文化のおかげ。
 
アルファベットしか文字がない西洋言語の人にとっては 表記が変わる事はすなわち違う言葉になるので desu と des だともう違う単語として認識されるのです。
 
一方日本語ではひらがな・カタカナそして漢字まであり 音そのものより文字が表す意味が重要。意味がわかっていれば読み方を多少本来から変えても分かり合える。
 
昭和の歌詞によく出てきたような
 
愛(ラブ)
道路(ロード)
望郷(ノスタルジー)
 
なんて遊びも また今どきの
 
七音(ドレミ)
海(まりん)
 
…といった やり過ぎキラキラネームも漢字のなせる技。
 
一方、例えばイタリア好きのアメリカ人が子どもに名づける時
Oseanと書いてマリーナ(Marina) と読ませる…なんて事は不可能なのです 文字記号=発音=意味だから。
そして日本語を学ぶ時もひらがなの発音はローマ字で覚えるので desu なの des なの?…という疑問が生まれるんですね〜
 
もちろん説明すればすぐわかってもらえますが たぶんそのわかり方も 我々日本人の納得度とは違うんじゃないかと思っている。母国語で同じ例がないから
 
ニホンゴトハ ソウイウ ゲンゴ ナノデスネ
 
という風に自分を納得させてるのではあるまいか。
 
そう考えると彼らにとっては ひらがな・カタカナすらもどちらかと言うと漢字の範疇として捉えてるのかな…と思ったりして。
 
言葉って本当に面白いですね。
 
そしてこんな独特で奥深い日本語を母国語として育った自分てなんてラッキー、と思います。これを母国語として読んで一緒に納得できるあなたもきっと。
 
大切にしよう 和のことば
 
※写真は全然文とは関係ないのですが (外国人がイメージする)日本のシンボルともいえる桜っぽい色なので使ってみた。毎年この時期に近所の市民プールの庭先に咲くお花です。
 

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