アルプスの花12.アルペンローゼ~スイス三大花のひとつ、見事な群生は必見!
スイスの三大花のひとつ、アルペンローゼ。
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↑アルペンローゼとシルス湖。サンモリッツエリアにて。
学名:Rhododendron ferrugineum(ロドデンドロン フェルギネウム)
英名:Alpenrose
会える時期:6月中旬から7月中旬。下旬でも場所により咲いているが色があせぎみだったり咲き方がまばら。見事なピンクの群生は6月中がお勧め。
お花いっぱいのアルプスでも特に有名な花のひとつ、アルペンローゼ。
ローゼという名前から、薔薇のようなお花をイメージする人が多く、これがアルペンローゼですよ~、とお伝えすると「えっこれが?」と意外なリアクションをする方が結構いらっしゃいます。が、はい、これがアルペンローゼです。
ローゼといっても薔薇ではなく、植物学分類としてはツツジ科。
なので草花ではなく樹木、という分類でもあります。
ローゼとは、直訳すれば「バラ色の」という意味なのですが、要するに「バラのようなピンク色の」という意味で使われます。ワインで赤と白の中間のやつをロゼ、というように。ほら、日本語でもピンク色の事を「桃色」っていいますよね。それと同じです。
季節になると、一斉に開花し、実に鮮やかなピンクでアルプスの山を彩る事から”アルペンローゼ = 高山のバラ色” と名付けられたわけです。
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↑6月。サンモリッツエリア、アルプ・グリュム付近。
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↑7月。グリンデルワルドエリア、ミューレン付近にて。アルペンローゼ群生する草原でのんびり草をはむ放牧中の牛さん。こっち見てるがな。
学名のRhododendron(ロドデンドロン)は、イタリア語でそのまま残っており、イタリアではこのアルペンローゼをまんまロドデンドロンと呼びます。
アルプス地方では、このアルペンローゼの蜂蜜もあり、高山のしかも限られた時期しか採取できないので希少・高級ハチミツとして人気があります。
この地方の養蜂家さんは、季節になるとロドデンドロンの咲く高地までミツバチファミリーを引っ越しさせて働いてもらうんです。
アルプスの夏は、牛のみならずミツバチも花の開花に合わせてノマドするんですね。
イタリアでもスイスでも、アルペンローゼハチミツは”ロドデンドロン”と表記されている事が多いです。ラベルのイラストでもわかるかとは思いますが見つけたら買ってみてはいかがでしょう。そんなにどこにでも売ってないので見つけたらチャンス♪
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↑アイガー北壁を背景に鮮やかに咲くアルペンローゼ。7月。
ちなみに、植物学的分類では二種類アルペンローゼがありまして、もうひとつは
Rhododendron hirsutum(ロドデンドロン ヒルストゥム)
と言いますが、その違いは後者の方が花の色が少し淡く、葉っぱの裏が錆色でないくらいなので素人にはほとんど見分けがつきません。
前者の学名 ferrugineum は「鉄さび色の」という意味。イタリア語ではferro(フェッロ→鉄)。葉の裏が赤茶色な事からきています。
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↑タイミングが合えば、アルペンローゼ満開の中をハイキング♪
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↑日当たりのいい場所にも群生するが、半日陰くらいの森林の方がいつまでも色鮮やかな気がします。
※花の学名、主な特徴などは「スイスアルプス花図鑑」内田一也氏著、を大いに参考にさせていただいております。アルプス高山植物のバイブル。ご興味ある方はお勧めです。ただし自費出版にて普通の本屋では売ってません。