日本人の間ではまだほとんど知られていませんが、時間があればここは絶対途中下車お勧め!の駅です。

特に

・お子さん連れファミリー

・あまり坂は歩けない、歩きたくない方

・自然遺産や歴史、地学などに興味のある方

なぜなら、車窓から見ただけではわかりませんがこの駅にはスイス国内でも有数の、おそらく一番大きいんじゃないかしら?と思われる

「氷河公園」があるからなのです。

氷河公園とは…?

正式名称

ドイツ語 Gletschergarten

イタリア語 Giardino dei Chiacciai

氷河の流れが岩を削って開けた穴が大小合わせて30個以上も残る、自然公園。

何はともあれ実物をご覧ください。

こんな感じです。

なかなか圧巻でしょう。

 

なぜこういうものができたのか、仕組みの簡単な説明:

①氷河期後期、地球の温度が上がって氷河が融け始める。

②融けた氷・雪が川となり、分厚い氷河の下を流れだす。

③水と一緒に流れている石や岩が地面のどこかに引っかかったり、たまたまたへこんでいる岩に引っかかる。

④川となった水の流れる力と分厚い氷河の重みにより、引っかかって出られなくなった石や岩がその場でグルグル回りだす。(滝つぼで対流が起きて水面に上がれないのと同じイメージ)

⑤少しずつ岩の中を削っていって、こうなる。

↑成り立ちが説明してある現地パネル。ドイツ語とイタリア語表記。上記内容はこれを大体日本語訳にしたものです。(余談ですが、スイスは世界的観光地にもかかわらず、この例のように結構グローバル言語である英語表記はせず、国の公用語ドイツ語とその地方の公用語(ここはイタリア語)だけにしているケースが多いです。個人的にこれはグローバルへの無言の抵抗、高い民族意識の表れだと思っているのですが…いいぞもっとやれ)

こうして、岩が綺麗に丸く削られその断面も滑らかで美しい、自然の蹲(つくばい)のような美ができあがったわけです。長い地球の歴史と氷河や水が生み出すものすごい力を間近で感じる事のできる貴重なスポットでございます。

大きいものは直径、深さ共に10メートル以上。そのうちのひとつははしごがついているので底まで下りていくことができます。

※自己責任で気をつけましょう。こんな山の中万が一何かあっても救助が来るのは1時間以上かかると思います。

巨大なものはもちろん圧巻だし、大きな穴の中に盲腸みたいに小さな穴があいているもの、隣り合った二つが合体して眼鏡みたいになっているもの、穴の底があいて下を流れる川が望遠鏡をのぞくように見えるもの… ひとつとして同じもののない、個性豊かな自然の造形美の数々。

こんな貴重なものが、カラマツが生い茂る森の中にひっそりと。

さらに驚きなのが、なんとこの公園、入園料「無料」なんです!

ここはさすがスイスだなぁ、と大変感心したのでありますが、地元を中心とした個人や企業の寄付金によりこの公園が整備・維持されているのです。

なので入口はあるものの鍵で開閉はなく、平日休日関係なくいつでも出入り自由。

 

駅からも、平坦な道徒歩5分程度で着きますので、正にちょっとした途中下車にピッタリです。

…と言っても、公園内はけっこう見ごたえありますからゆっくり見たいなら2時間くらいは時間とるのをお勧めします。

また、入口には「寄付金箱」がありますので、入場料のつもりで、日本に帰っても両替できない小銭など寄付しましょう。

 

氷河公園への行き方:

Cavaglia(カヴァーリャ)駅降りる。

駅舎を正面に見て左側、線路沿いを歩く。

500mくらい?直線歩いて行くと右側に分かれ道のある分岐点。その分岐の前にあるのが公園入口。

↑Cavaglia駅舎。三角屋根が可愛らしい。

↑駅の裏手にある標識。左側に進みます。

 

その他情報:

駅…無人駅です。

トイレ…駅舎にあり。

飲食…観光シーズンであれば駅前に飲み物と軽食程度のキオスクBarあり。観光繁忙期ならCavaglia集落内に宿泊付きレストランもあり。キオスクはオフシーズン以外開いてますが、レストランは事前確認をお勧め。

 

…現地でより詳しい説明リアルで聞きながら、楽しさ・充実度100倍の旅を。

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