【出来が悪い事に感謝】

【出来が悪い事に感謝】
+++-+++
今日から、
Vendemia(ヴェンデーミア)
=イタリア語でブドウの収穫のこと
が始まりました。
ちょうど天気にも恵まれ
絶好の収穫日和!
なのだが…
今年のブドウの出来は
大変、★悪い★ です。
一部すでに腐ってしまった
実がたくさんあり、
ひと房ひと房 もいでは
悪い部分を取り除き…
健康な実より 悪い実のほうが
多い房もまれではなく、
房ごとそのまま
地面に捨てちまう場面も
何度かありました。
ひどい。
一年かけて面倒見た結果が
これかよ…
と、最初は
ブドウに向かって
うらみつらみを
投げかけたくなったのですが
よくよく考えたら
それが 感謝に変わりました。
なぜなら今年の夏は
この地方の歴史上初ともいえる
あり得ない悪天候だったのです。
この地方の気候の特徴と言えば
『晴天が多く、低湿度』
それが今年はどうでしょう。
ほぼ毎日、雨模様だったのです。
空は常に鉛色の雲で覆われ、
1日のうち、ほぼ必ず雨の時間が
ありました。
1日どしゃ降りの事も何度かあり
晴天日なんて、5日くらいしか
なかったと記憶しています。
そんなわけで、いつもは
カラッとしているはずが
夏の間中 ずっとジメジメ。
”こんな夏は見たことがない”
地元のお年寄りの言葉通り
正に、異常気象な夏でした。
日本も、もうここ何年も
異常気象が続いていますが
本当に 世界中が
おかしくなっているのです。
私達のせいで。
我々が、自然の処理能力を
超えたスピードで、量で
汚染物質や二酸化炭素を
出し続けてきたせいで。
私達は、そのツケを払う
義務があるけれど、
自然には 全く非がありません。
むしろ、犠牲者です。
なのに、文句も言わず
じっとそこに立ち続けて
ブドウの木は 
必死に 実を結んだわけです。
ひとつの 生きるものとして。
そう思ったら
あんな悪天候の中
ここまで 実を結んでくれた事。
カビと戦いながら
約半分は 健康な実でいてくれた事に
感謝しかないし また
奇跡であると思いました。
自分でものを作る、という事は
いろいろな気づきを
与えてくれます。
都会の生活は便利だけれど
スーパーで買ったワインから
得られる事は
”20%引きでお得だった”
事くらいでしょう。
何でも 買うことで
済ませてしまう
今の生活スタイルは、
TVのように 
人を 何も考えない存在にし、
価値を異常に
”お金”に傾けてしまっています。
環境のアンバランスのみならず
現代人の生き方の
アンバランスについても
考えていきたいですね。
※写真は、我が家の畑の
ブドウの葉。
葉脈が血管のよう。
彼らも、生きている。

Follow me!