Cavaglia 〜カヴァーリャ〜

  山間の急こう配をずーっと登って来た途中に、ふと現れる平原。
  小さな集落もあり、険しい山中の宿場町…といった雰囲気。
  一見、何もない…ように見えるこの駅ですが、
  実は、とんでもない穴場スポットがあるのです。

  それは…

  ★氷河公園★

  氷河により形作られた
  巨大な岩にぽっかり空いた穴の数々。

  そのどれもが、自然にできたとは思えない
  不思議でやさしい丸い形をしています。

  氷河の歴史と共に歩んできた
  スイスならではの 自然の造形美。

  是非、時間を作って立ち寄っていただきたいですね。
  特に、ご家族連れにはもってこいだと思います (^-^)

  氷河公園 
 
  Cavaglia駅舎 
 Cavaglia駅舎。 
 山小屋風の建物が
 素朴でかわいらしい。
 
 標識
 駅のすぐそばにある標識。
 青で囲ってある標識が、
 氷河公園を表します。

 Giardino del Ghiacciai(イタリア語)
 Gletschergarten(スイスドイツ語)

 と、蔵王のお釜のような
 (管理者が、宮城出身なので
 地元ネタですいません ^^;)
 丸いシンボルが目印です。

 要するに、駅を背にして
 右→集落
 左→氷河公園

 これしかない、という
 迷いようのない道ですので
 ご心配なく。

 公園までは、駅から
 徒歩5分程度。 
 
 公園入り口
 公園入り口の看板。
 
 この公園作りに協賛・出資した
 団体や個人の名前がずらり。

 この方々のお陰で、実はこの公園…

 入場料、 無料 なんです★

 こんな素晴らしい施設を無料だなんて…

 さすがスイス!? と
 わけもなく感動した管理人でありました。。。
 
 あかないキヨスク
 公園内には、ちょっとした休憩どころらしい広場と
 ミニ・キオスク(売店)の建物があります。

 しかしこの売店、シーズン中2回訪ねたが
 開いているのを見たことがない…

 公園が無料なのも、わざわざ人件費を使い
 管理者を雇うより、無料の方がコスト安…
 と、スイスらしいシビアな経済感覚で
 決まった事ではなかろうか…などと想像する
 管理人・ヒロコ。

 そんな私の憶測を横目に、泉の水を飲む
 愛犬ILA(イーラ)。

 犬の純粋さを目に、いつも思い知らされる
 ヒトの心の汚さよ…
 
 公園内部
 公園内部概観。
 この岩場のあちこちに、
 氷河の影響で自然に削られた
 穴が点在しています。

 
 
 説明書き

 一つ一つの穴には
 それぞれ説明書きが。

 ・「発見」された年(この場合1999年)
 ・南北直径 4.06m
 ・東西直径 3.76m
 ・最も浅い部分の深さ 3.50m
 ・最も深い部分の深さ 5.48m
 ・容積 21㎥

 と行った具合です。

 ※「発見」とカッコつきにしたわけは・・・

 以前から、地元農夫達の間で
 この穴の存在は(当然ながら)
 知られていたそう。
 それを歴史的資料として、
 改めて しっかり発掘し、
 穴にたまっていた土や落ち葉を
 きれいに取り除かれたのが、
 1999年・・・ というわけなんです。

 つくばい?
 この丸い形が松と組み合わさると・・・
 日本庭園の 茶屋に来たような。。。

 つくばい を想像するのは
 私だけだろうか…

 和へのノスタルジーがそうさせるのか。。。
 
 説明版

 なぜ、このような穴ができたのか?の
 説明版。(イタリア語とドイツ語です)

 要するに…
 
 氷河期後期、氷河が溶ける時期ですね。
 分厚い氷の下にたまった水が
 氷の圧力によって、ものすごい勢いで
 流れたそうです。
 (この説明版によると、なんと時速200キロにも
 なったというから驚き!)

 その勢いで一緒に流された石や岩が、
 ふとしたきっかけで地面や岩場にひっかかり
 穴ができる。
 そこにまた、次々と水や石・岩が入り込み
 対流を起こし、どんどん大きな穴を作っていった…

 というわけなんです。

 絵を見るだけでも、なんとなく想像できますね♪
 (あ、私は一応ちゃんと読みましたよ〜、伊語で)
 
 岩の塔
 ・・・そういわれて なるほど、と思う
 丸っこい岩の数々。

 こんな演出も、ちょっと日本ぽい ^-^*
 
 大きさ実感!
 最も深い穴のひとつには
 はしごがかけてあり、誰でもいつでも
 自由に降りられるようになっております★

 大きさ、深さがより実感できますね〜

 よく見ると、大きな穴の途中にも
 小さな穴ができていたり…
 体験しながら学習できる、
 素晴らしい施設ではないでしょうか。

 ・・・日本だったら、きっと「危険だから」と
 無人の公園でこんなことはしないんじゃないかと
 思いますねぇ。。。

 ヨーロッパでは、「自己責任」のもと、
 いろいろな事が自由にできるのが
 日本とは違った良さであります。

 
 
 上から見る
 これもまた、なかなか大きくて深いもののひとつ。
 
 無料なのに、本当にきれいに管理されています。
 穴には水抜き栓などないから
 当然、雨水がたまるだろうに…
 落ち葉もたくさん入り込むだろうに…

 管理してくれている方、ありがとう。

  豪快な流れ
 公園の最後、ちょうどベルニナ線の脇を流れる
 川のあたり。

 こんなごつごつした岩場を
 石ころが削っていったなんて…

 その自然の威力、時間を想います。

 こちらの公園、ちゃんとナンバー付け
 してある穴だけでも、25個前後あります。
 
 他、ナンバリングなしのも含めたら
 相当の数が確認できるでしょう。

 スイス国内には、他にも何箇所かこういった
 「氷河公園」はありますが、
 ここほど数と規模が大きいところは
 ないんではないか…と
 個人的には思っています。
 (他の所に行ったことがないのであくまで推測ですが) 

 無料だし(しつこい)
 絶対に一度は見たほうがいい
 自然の偉業です。

 看板
 ベルニナ線車内から見える公園の看板。
 Tiranoから来た場合、ちょうどCavaglia駅につく
 すぐ手前、左側に見えます。

 見学所要時間は、1時間程度。
 ベルニナ線は大体1時間おきに通過しますので
 時刻表と照らし合わせつつ見学すると
 いいかと思います。

 じっくり見たい場合は、2時間先の電車に
 乗るつもりで見たほうが、慌てなくていいですね。

 時間が余ったら、駅反対側の集落を
 散策するのもいいでしょう。
 小さなBarもあります。

 雪原のIla
 ☆おまけ・冬のCavaglia風景☆
 
 …といっても、この日はすでに4月。
 標高1700mに春が訪れるには
 5月を待たねばならぬのです。
 山は厳しい。
 一方、雪大好きの愛犬Ila(イーラ)は
 予想外の雪にうれしそう ^o^



 AlpGrumを見上げる
 Cavagliaから、次の停車駅
 Alp Grum方面を見上げて。

 写真中央付近に、AlpGrumの駅舎が
 写っています。
 わかるかなぁ〜?

 トレッキングで行く事も可能。
 中級者で 一時間半程度。
 ずっと上り坂ですので、気持ちの
 準備はしておきましょう。

 

 日時計
 集落の一角で見つけた、日時計。
 きっと、昔からあったのを
 新しく塗り直したのでしょうね。

 こういった、古くからあるものを
 大切にする姿勢 ステキだな、と
 思います。


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