世界遺産レーティッシュ鉄道ベルニナ線で、最も標高の高い駅、Ospizio Bernina(オスピツィオ・ベルニーナ)駅。

氷河の融解水が源流となっていることから湖の色が白濁し、イタリア語でLago Bianco(ラゴ・ビアンコ)~まんま「白い湖」~と呼ばれる大きな湖の湖畔に停車。

ベルニナ沿線で人気のハイキングコース、Ospizio Bernina~Alp Grum(アルプ・グリュム)間の起点となる駅でもあります。

ハイキングコースは湖畔沿いにのびているので、平坦で歩きやすく、通り過ぎ行くベルニナ線の撮影も楽しめる。また、標高が高いためにお花の持ちも良い。コースゴールのAlp Grumからは絶景がのぞめる…と、ひとつで二度も三度も美味しいコースですね♪

↑Ospizio Bernina駅舎。

↑駅舎わきにある、ユネスコ世界遺産であることを示す記念碑。

↑車窓から、Alp Grum方面を見たところ。このように線路と並行してハイキングコースがのびているので、一本道で迷わない。

↑ハイキングコースより撮影。サクラソウとベルニナ線。標高が高いので、春の花サクラソウも、わりと遅く…初夏くらいまで…楽しめるのも魅力。

 

ラゴビアンコは、対岸を歩いて大回りの後、Alp Grumまで行くことも可能ですが、見た目よりずっと長く単調なので、正直そんなにお勧めしません。自転車ならいいかもね。

↑愛犬イーラと対岸を歩いた時のショット。向こう岸をトコトコ行くベルニナ線が見えます。

 

また、標高が高いだけに周囲は樹木が生えない吹きっさらしです。峠は風の通り道でもあり、強風や悪天候の際は、かなり厳しい環境になりますので、ハイキングの際は天候をよくチェックし、無理のない計画を立てましょう。出発後はAlp Grumまで避難場所も雨風しのげるような大きな木陰もありませんので、舐めてかかるとマジで命を危険にさらしますよ。

 

☆Ospizio Bernina豆知識☆

アルプスの峠ならでは。。。

Ospizio Bernina駅で時間があったら、見てみたい面白い標識。

これは、いわゆる分水嶺地点であることを示す標識です。

ちょうど、ラゴビアンコと、となりのLej Nair(レイ・ナイール)~黒い湖~がわかれる地点。

写真右側が、スイスサンモリッツ方面で、これより右に位置するLej Nairの水は、やがてイン川となり黒海へ注ぎます。一方、左側イタリアTirano方面ラゴビアンコの水は、やがてポー川と合流し、ゆくゆくはアドリア海へ。同じ空から落ちる雨つぶでも、少し場所が変わるだけで、行き先がこんなに変わるのですね。

峠は、水の分かれ道であるだけでなく、言葉の分かれ道でもあります。右(北)側のエンガディン地方は、スイスドイツ語およびロマンシュ語が公用語ですが、左側から始まるVal Poschiavo(ポスキアーヴォ谷)エリアは、スイスの中でもイタリア語が公用語となります。

ついでに言うと、この峠を境に、お天気や空気が変わる傾向がありますね。サンモリッツでは寒くても、左(南)側にある次の駅Alp Grumでは、イタリアらしい陽気や暖かい空気を感じられることが多々あります。

この標識はベルニナ線車中からも見えますが一瞬ですので、よほど目をさらにしておくか、せっかくなので降りてハイキングがてら行ってみましょう♪

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