”甘くない”最高に美味しいケーキ

”甘くない”最高に美味しいケーキ

今年もスイスでの

ガイド仕事が始まりまして

改めて

自然の美しさ、

雄大さに

感動する毎日です。

そんな中でも今日は

素敵な 現地の方との

出会いがあったので

ご紹介します。

その方は

私がよく

ガイドで使う

ハイキングコースにある

山小屋のオーナーである

おばさまです。

そこの山小屋は

おばさまの

手作りケーキ&タルトが

絶品で

知る人ぞ知る

「標高2,500mの名店」

今日もお客様と

手作りケーキを

いただきつつ

おばさまとも

顔見知りになったので

いろいろ

話していました。

ふと

お客様の質問から

「山小屋オープンの間は

ずっとこの山小屋に

住み込みなんですか?」

と、おばさまに聞いてみました。

毎日ケーキを手作りだし

当然 住み込みなんだろう、と

思ったのです。

ところが、意外な答えが。

「いいえ、通ってるのよ」

・・・・・えっ、

通ってるって…

なんと、ふもとの町から毎日、

リフトに乗って通ってらっしゃるというのです。

スキー場にあるような

チェアリフトで”ご通勤”も

すごいですが、

よくよく考えて下さい。

ここはスイス。

標高や 山のスケールが

日本とは

全然違います。

リフト降り場からこの山小屋までは

私達ハイカーが登ってくるような、山道です。

リフト降り場 標高 2,325m

山小屋 標高 2,540m

この標高は

日本アルプスの

多くの山の

山頂くらいの高さ。

そこを彼女は、

毎日 片道3㎞近くを

徒歩で往復だけでなく

その日の分のケーキ&タルト → 最低三種類

ランチ用食材 → パンや野菜、ソーセージなど

を、両手とリュックにしょって

通ってらっしゃるとのこと…

「ここは電気がないからね、住めないのよ。

ケーキは夜のうちと、あと早朝に焼いてるわ。

こんな生活をして、もう34年よ♪」

と、事もなげに話す彼女…

お金ですべてが解決する

都会にいると

どうしても

損得勘定に

走りがちです。

一方で

自然とは

見返りを求めず

その時そのときの

最大限で

ただひたすらに

与えてくれるもの。

そんな自然と

一緒に暮らしているから

でしょうか。

彼女の

スケールの大きさ

そして

地元愛と

素朴さ

おばさまのお年と

その日々の労力を思うと

決して甘くない

お仕事なのに

ふわふわと笑顔で

語れる

その強さ。

その全てに感動し

神々しささえ

感じてしまいました。

甘えのない彼女から

生み出される

適度に甘くて

美味しいケーキ。

味わいが増したことは

言うまでもありません。


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