スイス氷河の融け具合、リアルレポート

私のHP,「Tiranoとベルニナ鉄道のページ」にて紹介しているMorteratsch(モルテラッチ)氷河。

ここは、レーティッシュ鉄道ベルニナ線の、見どころのひとつ。車窓から雄大な氷河と、地域最高峰であるPiz Bernina(ピッツ・ベルニーナ)が見られることで有名です。

 

HPでこの氷河を写真と共に紹介したのは、2011年の事。

あれから5年。

氷河の姿は、すっかり変わってしまいました。あまりの融け具合の速さに、毎年訪ねる度にびっくりです。

今日は、その融け具合が少しでも伝わるよう、現在の姿をご紹介したいと思います。

★HPの氷河紹介ページはこちら

→ http://tiranovaltellina.ciao.jp/Morteratsch

(別ウィンドウで開きます)

1.全体像

ghiacciaio

HPの全体像と比べてみて下さい。

中央にのびている氷河の舌(ぜつ)。HP上のものは、遠目からでも広く地表近くまでのびているのが確認できますが、現在はこんなに小さくなってしまいました。

舌の右上方にある岩肌は、双方の写真にあるのでそれと比べるのも良いでしょう。

また、この写真で舌左に露出している岩。これは、以前の画像には見えません。5年前までは、この岩も氷河で覆われていた、という事です。

 

「何年には氷河末端がここまでありました」の標識も、2015年時点ですでにその年の標識が。1970年くらいまでは、約20年ごとの標識でしたが、ここのところ毎年の後退速度が激しいので、すでに最新版を立てたのです。

HPで「自己責任で登ってもOK」と説明している氷河の山。そんなものは、とっくにありません。

かつての氷河の山部分は、今は完全に川。以前は、ハイキングコースのゴールから、そのまま氷河に触ったり登る事が出来ましたが、今は川に阻まれて遠目に眺めるのみです。

ghiacciaio2

↑2015年夏のモルテラッチ氷河。

無残の一言。

 

 

追い打ちをかけるように2015年の冬は降雪が少なく。普段であれば、氷河の上をスキーで滑れるコースがあるのですが、今年は少ない雪でクレバスがむき出しだった為、ついに一度もオープンできないまま、スキーシーズンを終えました。

氷河を覆う雪がないという事は、それだけさらに融けやすくなる、という事。

今年2016年。また戻って見るのが怖いくらいですね。本当に痛々しい。何万年もかけて築き上げられた自然の遺産。それがこんな100年足らずでこんなに融けるのは、やはり異常としか思えません。

DSCN0411

↑ハイキングコースゴール近くにある、石の塔。

融けないよう、祈りを込めて…

 

★HPの氷河紹介ページはこちら

→ http://tiranovaltellina.ciao.jp/Morteratsch

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