イタリアのコンビニ
イタリアのコンビニ
うちの近所に、イタリア式コンビニがあります。
個人商店なんですが、石けんからテレビまで、くまなく何でも置いてある。
電話のコードが壊れた時は、修理もしてくれる。
ただ、その店が日本のコンビニと最も違うところは、いつでも割引してくれる点。
今朝も、味噌をしこむタッパーとタイルお掃除用ブラシを買いに行ったのですが、
単品の場合、各7,5ユーロと1,5ユーロ、と値札がついていました。
しかしお会計は、8ユーロ。
10%もの割引です。
こんなふうに小さな金額でも、常に「二点以上まとめ買い割引」が利くお店。
昨日書いたレバーの話や、
いつか書いた、歯医者まで割引になるなど
イタリアには、こんな「いつも同じではない」面が多々あります。
そんな事が出来るのも、個人事業主など
消費者と売り手がダイレクトにつながるシステムが
イタリアにはまだ色濃く残っているお陰だと、私は思っています。
日本のように、ほぼ何でもが「チェーン店」であり
店員は全てバイトや雇われ管理職の場では、
必然的に全てをマニュアル化せざるを得ず
こういうちょっとしたフレキシブルな対応はできない。
そして雇われの身では、当然そのお店や商品への愛着は薄いから、
ちょっとした機転を利かせてお客さんを満足させようとか、
そんな気持ちも生まれにくく、
なるべく少ない労力で自分の勤務時間が
早く過ぎる事を優先しちゃうでしょうね。
こんなイタリアの、店主の一存で割引が利くような、
そしてお店の人と気軽におしゃべりがはずむような、
そんなお店こそが、本当の意味での
コンビニエンス・ストアじゃないかしら。
きっと日本にも、少し前までは
そんな個人商店がたくさんあったのでしょうね。
私が小さい時はまだ、豆腐売りのおっちゃんが
歩いてたもんな。
便利もいいですが、それと引き換えに
いろいろな大切な事を
私達は失っているように思う。
日本がイタリアから学ぶベきことは
ファッションだけじゃない。
そんな事を日々感じさせてくれる、こちらの生活。
※写真は、Tiranoに残る15世紀の城門のひとつ、Porta Poschiavinaにて。