日本でも絶対取り入れるべき、イタリア(ヨーロッパ)式夏休みの取り方
皆さん、今年の夏休みはどうでしたか?
私の住むティラーノ…北イタリアの田舎町では、初夏のころ、一斉に飲食店が夏休みに入ります。
↑朝ごはん食べたい時よく使う、行きつけのバールの張り紙。6月24日~7月7日のお休み。…休み前で浮かれていたせいか、6月じゃなく7月24日~、になってるのもウケるしそれを修正しないまま貼っちゃうとこも好き。いいんだよ、こういうんで。
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こちらの夏休みの二大特徴は…
1.お店ごと閉めちゃう!
2.最低二週間のお休み!
…今の日本では考えられない事と思いますが、イタリア、そしてヨーロッパではこれが普通です。
お店ごと閉めるなんて、なんて斬新・大胆…と思うけど、思い切りが良くて私は好きです。
交代で休むなんてシフトの調整が大変だし、日本式だとどうしても
「お休みいただいてすいません」「ありがとうございました、ご迷惑おかけしました」
そして旅行先ではお土産探しに時間を費やす…なんて事になるの必須ですが、みんなで同時に休めばそんな心配もありません。
特に飲食店の場合、ある程度長期で使わない時期がある事事で、キッチンなどの清潔さリセット効果もあっていいんじゃない?とすら思ってしまいます。
↑ 休暇のお知らせの詳細を嬉しそうに説明してくれる近所のパン屋の店員さん。家族ごとに行き先が違うので、子ども達が思い思いに書いたそうです。
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また、日本で個人経営のお店が臨時休業なんかする時にあるような
「大変ご迷惑をおかけしますが、、、」
という枕詞はこちらでは一切なく、シンプルに
「〇日~〇日、夏休み」
という断り書きのみのものが大多数。
丁寧なやつでもかろうじて「親愛なる顧客の皆さまへ」と書いてある程度で、労働者としての権利を行使するのに「迷惑をかけますが」「すいません」といった本来意味のない言葉を使う事は全くありません。
↑ 図書館そばのバールの張り紙。6月23日~7月2日まで。やっつけ手書き感がいいですね。
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…この夏のガイドのとあるお客様と雑談していた時仰っていた
「なんで日本は労働時間が長いのに生産性が低いんだろうねぇ」
という言葉が印象的なのですが、その一因は明らかに、まとまった休暇が少なすぎてオン!とオフ!の切り替えができない事にある…と、一応日本でも海外でも働いた事のある私は思う。
日々の労働や勉強、スポーツでも、適宜息抜きが効果的なのは常識。最近はお昼寝も効果的、なんて認められて昼寝スペース儲けるオフィスもちらほら出てきているのに、なぜ一年というスパンになると、惰性的にダラダラと働かねばならぬ雰囲気・状況になるのだろう。
実際に、こんなにのんびり夏休みをとっているイタリアでも、日本と比べて経済生産性が著しく低い、というわけではないのである。
最新のGDPランキングを見ると、こんなイタリアでもトップ10内をキープ。そしてヨーロッパ諸国内でも4位と上位。
イタリア以上に夏休みが多く、最低1ヶ月はとる…と噂のドイツなんて、もっと上位で名目GDPでは日本を追い抜き三位、実質GDPでも追い抜きそうな勢い。
令和になってもまだまだ長期休暇が取りにくい雰囲気の日本なようですが、いい加減に昭和の「休みは悪!」「迷惑」といった体質は捨てて、この欧米システムを導入すれば、もともと勤勉な日本人なのだからぐぐっと生産性・効率性が上がって、あっという間にGDP1位も夢じゃない!? …1位にならないまでも、ずっと言われている停滞の30年から抜け出せるだろうし、もっとみんなゆとりを持ったギスギスしない社会になるんじゃないか…と、こちらの人生楽しんでる人たちを見ていると思ってしまいます。
そもそも、日本て何かと欧米の追従をしてきたんですよね。消費税の導入、ワクチンビジネス、そしてマイナンバー制度… なのに休暇システムだけなんで全く取り入れないんだろう、と不思議です。
まぁ今後は外資や外国人労働者の増加、海外経験のある若者も増える事で変わっていくとは思いますが、いい加減今の非効率性を見直す時じゃないでしょうか。
※ この内容をYoutubeでアップしたところ、「時給で働いている非正規労働者は休みになるとその分給料が減るので、2週間も休まれたら迷惑です」というコメントが来ました。
私が知る限りヨーロッパでは、非正規雇用でもちゃんと有給がつきます。そして有給を使わせて休ませないと雇用者が罰金対象になります。そういう、労働者を守るベースがしっかりとあるんですね。日本はまずそれがない、または実質機能していないからそこから変える必要がありますが、ヨーロッパで長年できているんだから、不可能では全然ないと思っています。
あなたの今年の夏休みは どうでしたか?
↑ 一方、好きな時にどこででも休暇をとるブーボ