富士山ニコ生配信中滑落事故

死にもし意味があるとしたら、今回の彼の死は「山への畏敬の念を忘れることなかれ」要するに山をなめんな!って事を私達に身をもって教えてくれたことになるのでしょう。

2019年10月28日。すでに雪山となった富士山への登山をニコ生ライブ配信中に滑落し 突然配信停止。それをリアルタイムで見、心配した視聴者の通報で捜索開始。2日後の30日 遺体となって発見されたこの男性。
亡くなったひとつの魂として ご冥福をお祈りいたします。

↑今回 私が拝見した動画。他にもいろいろ動画再アップ者がいますが、人の死を茶化したり コメントの民度が低いものもあるので これが一番冷静だと思います。山経験者のコメも多く 参考になる。

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山への挑み方としては軽率過ぎて同情できない。

すでに閉山した標高4,000m近い山に一人で入山。冠雪(当然氷結も)してるというのにアイゼン、ピッケルないどころか、えっ それスニーカーじゃね?と思うような靴(一応登山靴らしいが)

服装自体も軽装だったようで そんな様子じゃ登山計画も出してないことだろう。

その上 なんと登山開始は午前10時頃だったそうだいや歩きやすい夏でも皆さん夜中2時とかに出発してるそうですけど

問題の山頂付近ではすでに15時過ぎ。

ご本人の動画を再アップしているYoutubeの とあるコメントで「仮にあそこで滑落していなかったとしても下山中に暗くなり下山不可能、あるいは滑落していただろう」とあったけどほんとそう思う。

あとは「普通の街中でも歩きスマホ危険って言われてるのにそんな凍った高山の斜面で?」その通りや。

驚きなのは 富士山登山が初めてではない、という点。すでに45回ほど行かれてたらしい。いずれも夏だったのかも知れんが どれだけ難しい山か その経験で知る事はできなかったのだろうか。何度も経験している、という慣れがそうさせたのか それとも たまたまそれまでは 毎回最高の晴天と穏やかな気候に恵まれていたのだろうか

実際に今回の動画でも、午後 むしろ夕方近くだというのに素晴らしい晴天が広がり しゃべる声に風音が混じっていないので 風もほとんどなかったようだ。

普通 山でも海でも 午後になると荒れがちなのに そんな"ラッキー"が今回の場合は 彼に無謀を続けさせる一因になってしまったのかも知れない。

行きのバスはうまく取れず さらに車酔いをして"帰りたい"と登山前にツイートしていたにもかかわらず 彼をそこまで駆り立てたものは何だったんだろう。視聴者へのサービス心と責任感か はたまた自己顕示欲だったのか それはもう永遠に知る由はない。

ただただ本当に山をなめたらあかん。

本格登山はしないものの アルプスのふもとに暮らし お仕事も山関係と 年中山と触れ合っている私に 改めて ”初心忘るべからず” ってことを教えてくれた。

私はやるとしてもトレッキングレベルだけれど、道がよく整備されたスイスアルプスは、簡単に3,200m超の標高まで行けてしまう。毎回、防寒着や非常食など 考えられる物品はリュックに入れて行くものの、きっと経験を積めば積むほど 慣れとの戦いでもあると思うから 今回の彼が示してくれた例を 忘れないようにしたいと思った。

↑ …こちら、斜面の画像は今回事故が起きた付近のグーグルマップ。同じく冒頭の動画のコメントで紹介しているのがあったので見てみたけれど、、、傾斜ハンパない。そして実際そうだった通り一度滑ったらなかなか止まれない石ころばかりの滑らかな斜面夏でも怖すぎるわ。

どれだけの斜面、ガレ場か 山の現実を知りたい方は以下のリンクより。360度回してみて 実際に歩く場合を想像してみてください。”富士山は夏でも強風時は撤退が鉄則”の意味がわかる。

https://www.google.co.jp/maps/@35.3630767,138.7343456,3a,75y,180.61h,88.83t/data=!3m9!1e1!3m7!1sVgp9DaFtQQQlrGwA2es4PA!2e0!7i13312!8i6656!9m2!1b1!2i30?hl=ja

今回は 滑落地点から800mも下で見つかり、しかも「遺体は損傷が激しく、衣服も破れており」「性別不明、男性の可能性もある遺体を発見」との報道から、ご遺体が一体どれだけの損傷を受けたのか…男性かどうかを判断する わかりやすい突起もつまり 転がり落ちる過程でもぎ取れるほどの衝撃ってことですよね… お、恐ろしすぎる。平面で800m走るのでも相当キツいのにそれを垂直にしてみぃ。。。

 

合掌

 

以下、参考記事、動画を自分のメモも兼ねまとめます。

 

1.日本アルプスにて、約1,000mも滑落したが奇跡的に助かった方の回想録。(27年後にようやく客観的に振り返り書けるようになった様子。トラウマからの回復とは それだけ時間がかかるものなのですね)

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-267376.html

 

2.北アルプス白馬岳での滑落・遭難者救出の様子。長野県警察公式チャンネルより。今回の事故と同じ 単独登山ですが、助かる人とそうでない人の差がよくわかる動画だと思います。

 

3.ニコ生配信者と偶然にも同日、同様に富士山に登った方の動画

 

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