スイス氷河はこんなに融けています

この夏、シーズン中のオフを利用して
氷河を一望する山小屋まで
一泊トレッキングに行ってきました。

私が専門ガイドを務めます
ここ エンガディン地方でも
最も奥まったところにあり
氷河がまだ比較的
しっかり残っているエリアです。

…が、

それでも、
ものすごい勢いで後退しており
改めて危機感を感じました。

ハイキングコース起点にある
「氷河の後退状況」パネルを
ご覧ください。

1859年から測定を始めて
2015年までの氷河末端が
赤いラインで示されております。

5年ごとの観測で
特に1945年…戦後以降、
急速に後退が進んでいるのがわかります。

さらにショックなのは
表右上に書いてある
「各年代の後退した長さの平均」。

2009年までは
毎年平均18mの長さの氷河が
後退していました。

しかし、2010年以降は
一気にその長さが伸び
以下のようになっています。

2010-2011年 27.4m

2011-2012年 29.4m

2012-2013年 21.0m

2013-2014年 14.8m

2014-2015年 34.9m

2014年夏は
記録的冷夏だったので
唯一後退距離が短いですが
その翌年は 一気に
約35mも後退しております。

35mというと…
ビルにして約11~12階建て。

氷河と言うのは
幅・厚さもありますので、
イメージとして

関東都市郊外ベッドタウンにあるような
12階建ての高層幅広メガマンションを横にして
それが一棟分、
一年で消失した…
と言えるでしょう。

何万年もかけて
形成されてきた自然の結晶が
たった一年で
それだけ融けてなくなってしまう…
恐ろしいことではないでしょうか?

実際 近年
氷が融けまくっていることで
下流の河川が前例にないほど増水し
ふもとの集落が水没の危機…
という問題が
スイスでは リアルに
議論され始めておりますし

そして逆に
今まであった小川が
枯れている…という現象も
特に ここ2年くらいで
顕著に感じております。

万年雪、氷河は
大切な水の貯蔵庫。

ヨーロッパの水源であるアルプスの水が
もし 枯れてしまうことがあったら…

自然の近くで暮らしていると
「人類 待ったなし」…と
本気で思いますね。

Forno氷河(フォルノ)…エンガディン南部、Maloja(マローヤ)から、片道約12キロ。…結構キツいです(^^;

山小屋の上の方にある山上湖。も~ぅ神秘的で素敵でしたわ… イーラが神々しく見える☆

**********

現在、着々と企画進行中の
スイス体験型・地産地消ツアー。

最初は
地域の農業・牧畜生産者さん見学と
軽めのハイキング…と思っていましたが、
こういった 氷河融解の現実も
お見せする必要があるなぁ、と
今回強く思いました。

ただ、この氷河viewコースは
最短でも片道12キロもある上、
岩ゴロゴロのガレ場が多く
なかなかハード。

近場で 片道約1時間で行ける
氷河viewコースがありますので、
そこを取り入れようかなと思っています。

それについては、
また後日
ご紹介いたしますね。

・氷河一望できる山小屋のテラスから撮った動画(夕暮れ時Version)

※Youtubeは、ほぼ自分の記録用にやっておりますが、

チャンネル登録いただけますと、動画アップのモチベーションになるので嬉しいです♡

・本日もお一人メンバーさん増えました♪
【スイス体験型・地産地消ツアー】準備グループ
(Facebookの秘密グループにて、Facebookアカウントと
グループへの参加申請が必要です。

面識ない方はメッセージをいただかないと承認できませんので、

何らかの形でメッセージかコメントを下さい)
→ https://www.facebook.com/groups/487973818682086

氷河の末端部。大きさ比較でイーラ配置。

…なんだか、浜に打ち上げられてアップアップしてるシロナガスクジラのように見えるのは私だけでしょうか。

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