あなたならどう答える?ガイジンからのこの質問。

…海外で暮らしていると、外国の方から日本人やその文化について思わぬ質問・疑問をぶつけられ、笑ったり面喰ったりするものですが、中でも、パートナーの幼なじみF氏に聞かれたこの質問は、最も忘れられないもののひとつ。今でも、明確に答えられなかったことにモヤモヤし、特にこの時期になると強く思い出されます。

あの日は、パートナーと共に、彼の幼なじみであるF氏が経営するレストランに食べに行っていた。ピザ職人でもあるF氏は、レストラン中央部に配置された立派なピザ釜におり、手早くピザ生地を広げる手つき同様に口もよく動き、パートナーと私と談笑していた。

イタリア人とは、どうも女より男の方がおしゃべりよね…と毎回思うくらい、男同士でよくまぁしゃべる。わかりやすいジェスチャーを交えつつ。そして会話は、趣味のサッカー…といった当り障りのないことではなく、たいてい政治や世界情勢のことになり、お互いケンカかと思うくらい白熱するのである。その日も、薪で温めるピザ石窯の話からイタリアの電気代が高いというグチになり、やがてはヨーロッパの電気供給の話に移っていった。その折にF氏はふと、私にこう聞いたのである。

「日本はさ、世界で唯一、原爆とフクシマと、2回も原子力の被害を受けてる国なのに、なんでまた再稼働なわけ?」

それはちょうど、東日本大震災後まだ何年も絶たない中で、日本政府が再稼働を発表した頃であった。

 

そして、確か同じ年のこと。

オフの日に行った、朝日も夕陽も美しい、標高3,200mにあるスイスの山小屋にて。たまたま同じ日に宿泊になったドイツからの山大好きな紳士と、眼下に広がる絶景を眺めながらのおしゃべりの時、彼は誇らしげに私に言った。

「ドイツでは、フクシマのことがきっかけで、原子力発電所廃止を決めたんですよ。」

 

 

今年の8月6日、広島と全国では、あまりの温度差があることを知り、私はショックを受けました。

当日朝の平和記念式典。その様子を、広島以外の全国区でみると、実況したテレビ局は、なんとNHKだけだったそうな。NHKは朝ドラを繰り下げ、原爆が投下された8:15の黙とうの様子を生中継。一方、同時刻に他の民放局は何を放送していたかというと…最近の自然災害の話、東京テレビは韓国ドラマ、そしてフジテレビと日本テレビにいたっては、「ボクシング連盟・山根会長をめぐる報道」を放送していたそう。要するに、ゴシップです。

それについての記事はこちら

→ https://www.j-cast.com/2018/08/06335608.html?cx_recsOrder=1&cx_recsWidget=articleBottom

 

一方広島では、当然というべきか、全ての民放局で中継あるいは報道されたそうです。そして…広島の知人から今年初めて聞いた話ですが、広島では今でも、小学校・中学校では、この日は登校日だそう。

当事者や関係する地域でだけ局地的に議論され、他は無関係とも見えるこのノリ。沖縄の基地問題や、最近すでに全国区では忘れられたことになりつつある東日本大震災、それに伴うフクシマの事情にも通じるものがある。

冒頭のイタリア友人・F氏が言ったように、正に日本は世界で唯一、原子力による甚大な被害を受けた国である。原爆と原子力発電所と、2種も。そんな稀有な体験をした日いづる国のお役目として、いくら時が経とうと、原爆のことを「一部のモンダイ」あるいは「過去バナ」にしていいのだろうか。そしてフクシマに関して言えば、全くもって時も経っていないし、未知の問題はむしろこれから出るだろう状態だと思うのだが。

せめて、ガイジンから聞かれた時に、明確に胸を張って答えられる。そんな政策を持つ国であることを願う。

写真は、ふたつめのエピソードのドイツ人さんと一緒になった、絶景山小屋からの朝日。ちなみにこの山小屋には、日本が誇る登山家「世界初・エベレスト女性登頂」を成し遂げた田部井淳子さんもご宿泊されたそう。

山小屋情報:エンガディン、Alp Languard(3,261m)のピーク直下60mにあるGeorge ヒュッテ。

ご来光。東なので、イタリアのドロミテ方面から昇る。

刻々と変わる陽光と、かわい神々しいイーラのシルエット。

朝起きて朝食前に、気軽に登頂できます。

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