冬の剪定が 今年のワインの出来を決める
…と言っても過言ではないくらい 地味だけど重要な作業、それが剪定なのだ。
農閑期と言われる冬場、12~2月の間。
秋に仕込んだワインの赤ちゃんは ゆっくりと熟成中だし、畑も土自体が凍っているから何もできない…じゃあ 暖炉の前でホットワインでも飲みながらのんびりするかね… というわけにもいかないのが 自然とのおつきあい。
剪定とは原則、木が冬眠中で 固くしまってるうちにやらないといけない。暖かくなってからだと 代謝が活発になった枝の切り口から樹液がダダ漏れして 木全体を弱らせてしまうリスクがあるから。なので 寝込みを襲うわけである。
ヨーロッパには 旧暦や春節の概念はないものの 農民たちの間ではやはり "2月始めには終わらせでね~とな"という認識があり 我が家始め 周りのブドウ畑を見回しても ほとんどが剪定を終え スッキリさっぱり。
ちょうど雪が降ったおかげで 剪定具合もよく観察できる。
…こんなに切っちゃって大丈夫?と聞かれることもあるけれど 生命力の強いブドウは 切りすぎちゃうか?くらいでちょうどいいのである。余分な枝を残しておくと 栄養が分散されてしまい 収穫量や味が落ちてしまうから。
Poco fa tanto (ポコ ファ タント)
なんだか可愛らしい響きのこのフレーズは イタリア語で「小が大を生む」。
つまり 思い切った剪定で最小限まで切り詰めた方が 豊作になるよ… という意味でございます。
千年以上 ワイン造りが続くこの地方で 昔から百姓の口伝えで引き継がれてきた格言だそうだ。
いつも私に農業豆知識を教えてくれる 三軒隣に住む代々農家の旦那、Pilota (ピロータ)が教えてくれた。
PCでスマホで 手軽に何でも情報が手に入る…ように思いがちな現代であるが 地元の人や その道のプロとのリアルつながりがないと わからない情報・コツというのは 必ずあるものである。
※剪定後のブドウ畑にて。凍った雪の上で犬かきするイーラをお楽しみ下さい♪
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