Tiranoお屋敷探検~Palazzo Quadrio Curzio~

Tirano街歩き。

 

今日は、旧市街の歴史あるお屋敷のひとつをご紹介します。

エントランスのアーチ型天井装飾が印象的なパラッツォ(お屋敷)、Palazzo Quadrio Curzio(クアドリオ・クルツィオ)。

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元々は、ミラノの名門Visconti(ヴィスコンティ)家の一派、Visconti Venostaの持ち物だったのですが、時代と共に所有者が変わった為現在の名前に。

 

この、エントランス上部にあるようなアーチ型の装飾は Serliana(セルリアーナ)と呼ばれ、1700年代の典型的な装飾スタイル。

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お屋敷内部には、1500年代の装飾もある事から、最大で500年もの歴史を誇る建物…!という事になります。

Tiranoが交通・経済の要所として栄えていた時代に、改修を加えながら発展したお屋敷のひとつ。

エントランスを入ると、多くのイタリアのお屋敷がそうであるように 中庭が迎えてくれます。DSCN2889

中庭から天井まで伸びる立派な幹は、藤。
もう、樹齢何百年なのでしょうね。
でも枯れるどころか、枝は天井を超えてお屋敷の向こう側まで伸び、春になると外通りからでも青葉と美しい紫の花を
楽しむことが出来ます。
Visconti Venosta家は廃れてしまったけれど、この藤は石畳に根を張りつつも こんなに力強く生き延びている…

人間なんて、いかにちっぽけな存在であるかを
静かに、教えてくれているようです。

 

この日はたまたま、市主催の展覧会を開いていたので 内部は賑やかになっていました。

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3月8日、「国際女性デー」にちなんで Tirano市が企画した「女性月間」の催しのひとつ、

【地元の女性アーティストによる作品展】

です。

手作りの素朴なウールや洒落たドレス、絵画などが飾られ、普段は殺風景なお屋敷に、華を添えていました。

本日の受付マダム、ダニエラさん。

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装飾やアングルのひとつひとつに、歴史を感じます。

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↑この扉は、1500年代製。

 

★さてここで、お屋敷一口メモ。

こちら、外に通じる扉ですが
小さな長方形の扉が仕込んであり
二重になっているのがわかりますでしょうか。

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このミニ扉は、人が出入りするためのいわば
勝手口ドア。

普段は、本体の大きな扉は
防犯上の為もあり
重厚な鉄の鍵で閉められていました。

人が出入りする時は、もっぱら
この勝手口を使っていたのですね。

…じゃあなんで、こんなに大きな扉を作ったの?
見栄?

いやいや、違います。

かつての移動手段を考えてみて下さい。

…そう、馬です。

馬が出入りできるように
こんなに大きな扉が、
実際必要だったわけです。

ゴテゴテした装飾は、もちろん見栄ですが…(^^;

なので気をつけてみると
本当のお屋敷にしか
こんなに大きな扉はついていません。

一般庶民の扉は、とても小さかったります。

それは、お金持ちでないと
馬を持つことが出来なかった事を
意味するのでしょう。

そんな視点を持って街歩きをするのも
面白いと思いますよ♪

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※こちらのお屋敷は、残念ながら普段は一般公開されていませんので、内部観覧は不可。

時々このようなイベントがある時に入れますので、Tirano来訪時のラッキーを願いましょう☆

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